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【 もう一度見つめよう 食べ物の世界 】
ジュースとビタミンC
タレント・食生活アドバイザー岡村麻純

日本人は野菜や果実の消費量が比較的多いといわれ、平均すると1人1年当たり野菜は100kg以上、果実は約40kgも消費しているそうです。計算すると、ビタミンCの総消費量の約6割が野菜、2割が果実。私たちの健康維持に必要なビタミンCのほとんどを野菜と果物から摂取しているのです。しかし、野菜も果物もたくさん取りたいと思っても、値段や消費期限を考えると難しいことです。そこで、人気なのがジュースではないでしょうか。

果物などのジュースの場合、天然果汁(果汁100%)、果汁飲料(果汁50%以上100%未満)、果汁入り清涼飲料(果汁10%以上50%未満)の三つに分けられます。さらに、果汁100%の中でもストレートのものと濃縮還元があります。果汁を搾って濃縮せずに殺菌して作ったのがストレートです。濃縮還元は、果汁の水分を除き、5分の1から6分の1に濃縮して冷凍保管し、使用時に解凍して水を加えて元の濃度に戻しています。このとき、再度果汁や糖類、香料を加えて味を調えます。この濃縮は主に加熱濃縮が行われているため、ビタミンCはある程度は破壊されてしまいます。また、ストレートであっても、加熱殺菌するためビタミンCの損出は避けられません。

では加熱せず、その場で搾るフレッシュジュースはどうなのでしょうか。実はこのフレッシュジュースも、ミキサーなどで攪拌(かくはん)するうちに、ビタミンCが酸化され、発生する熱によってビタミンC含量は減少してしまいます。ミカンの場合ミキサーにかけると、ビタミンCの残存率は90%、リンゴでは6%ほどになってしまいます。

ジュース加工をすれば、野菜や果実そのままのビタミンCが含まれるわけではないことを理解した上で、生の野菜や果実とジュース、両方をうまく利用して、ビタミンCを摂取したいものですね。

岡村麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

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